不整脈

不整脈について

正常の脈拍は、「安静時に、1分間に50~100回、規則正しく打つ脈」と定義されています。不整脈とはその名の通り、脈が“不整”な状態の事で、不規則なリズムで心臓が収縮した結果起こります。わずかな脈の乱れは多くの人に認められ、ほとんどの場合は病的なものではありませんが、心不全や脳梗塞の原因となるものや、命にかかわる不整脈も存在します。症状を自覚したり、健康診断で不整脈を指摘された場合は、循環器内科を受診する事をお勧めします。

心房細動・心房粗動

循環器外来での加療が必要となる代表的な疾患です。有病率が高く高齢化に伴い年々増加傾向にあり、80歳以上の方の5%近くが罹患しているとのデータもあります(米国では10%程度)。心房がかなり速い頻度(400~600拍/分ほど)で不規則に興奮することで生じ、心室の拍動とうまく連携できなくなります。そのため脈が乱れ、心拍が速くなりすぎたりとても遅くなったり、時には脈が数秒止まる不整脈を合併する事もあります。この不整脈で特に危険な合併症は2つ挙げられます。1つ目は心不全です。早い脈が数時間、長いと数日続く事で心臓が疲れてしまい、心不全につながります。肺に水が貯まったり、足がむくんだりします。もう1つは脳梗塞です。心房は400~600回/分も刺激されても有効な収縮ができず痙攣しているような状態になります。その結果、心房の中で血液がよどんで血栓を形成し、それが脳に飛ぶと脳梗塞の原因となります。この心房細動で引き起こされる脳梗塞の事を『心源性脳梗塞』と言い、脳梗塞全体の25%程度を占めます。他の脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム性梗塞)と比較して梗塞範囲が広く予後が不良と言われています。特に75歳以上、糖尿病高血圧がある、心不全を併発している、脳卒中の既往がある方はリスクが高いと言われています。

心房細動の治療

心房細動の治療には薬物療法とカテーテルアブレーション治療があります。薬物治療では不整脈発作を抑える抗不整脈薬、脈拍数も発作も抑えるβ遮断薬、脈拍数を抑えるカルシウムチャネル拮抗剤、血栓形成を防ぐ抗凝固剤を組み合わせて使用し、心不全を合併している時はこれに心不全薬や利尿剤を使用する事もあります。心房細動のカテーテルアブレーション治療は近年その件数が飛躍的に増えています(2015年 56713件→2019年 96669件)。原因としては高齢者が増えた事に伴う心房細動患者さんの増加に加え、治療方法が確立された事で再発率や合併症が減った事も要因として挙げられます。治療の成功率を上げるには心臓に他の疾患を合併していないか、心房が大きくなっていないか、いつごろから続いているか、などの要因の評価も必要です。当院ではホルター心電図や心臓超音波で評価したうえで、必要に応じてアブレーション治療に対応している専門病院と連携を取り、術後のフォローも行っています。

 

期外収縮

胸がドキっとする、脈が飛ぶなどの症状が起こる不整脈です。心臓の上の部屋(心房)からのものを上室性期外収縮、心臓の下の部屋(心室)からのものを心室性不整脈と言われます。正常に電気が流れる伝導路と別の箇所から電気刺激が発生し、本来の脈拍と違うタイミングで心房筋や心室筋が収縮する事でおこります。無治療で経過観察となるケースが多いですが、検査の結果、基礎心疾患や内分泌疾患が見つかった場合は基礎疾患に対して治療が必要となります。また、症状がある場合でも治療を検討する事があります。

洞性頻脈、洞性徐脈

電気の興奮を起こす場所は洞結節(どうけっせつ)と呼ばれ右心房に存在します。この部位は交感神経や副交感神経によりコントロールされており、体からの要求に応じて脈を速くしたり遅くしたりします。また運動や、飲酒、カフェイン、不安、痛みなど日常の行為で影響を強く受けます。脈が100拍/分以上、または50拍/分以下になった状態をそれぞれ洞性頻脈、洞性徐脈と言い通常は病的でないことがほとんどです。しかし、時には心不全や甲状腺疾患などの内科疾患が隠れている場合もあります。

発作性上室頻拍

心房や心房と心室の間に異常な電気経路が存在し、同じところを電気信号がぐるぐる回る事で引き起こされる頻拍発作です。発作の時に心電図を行えば診断がつきますが、多くの場合、病院に着くころに発作は治まっている事も多いです。その場合は、ホルター心電図(24時間心電図検査)で調べる必要があります。発作性上室頻拍の診断がついた場合は、内服加療も可能ですが、カテーテルアブレーションで根治的治療を目指すことが可能です。


 

洞不全症候群

心拍が速くなる不整脈の一つですが、遅くなるものもあります。心房にある洞結節の働きが悪くなり、心拍が遅くなる不整脈は全て「洞不全症候群」になります。心拍が突然5〜10秒止まって失神発作やめまいを起こしたり、安静時の心拍数が30〜40拍/分になって、動いた時に息切れを起こしたりします。心房細動と合併するケースも存在します。

 

房室ブロック

房室結節は心拍の電気刺激を伝える役割を担っていて、心房と心室の間に位置しています。この房室結節の働きが低下すると、房室ブロックを発症させてしまいます。重症度によって、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度と分類されます。この中でも、病的な状態になるのはⅡ度房室ブロックの一部(Mobitz;モビッツ2型)とⅢ度房室ブロックです。これらの不整脈にめまいやふらつき、失神、心不全などの症状や合併症を伴った場合、ペースメーカー植込術の適応となります。その場合は手術に対応している専門病院と連携を取り、術後のペースメーカー外来によるフォローも行っています。

診療時間表

内科 日・祝
8:30~12:00 /
15:30~18:00 / / /

休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日
内科:月曜、火曜、水曜の午前は2診体制となります。

耳鼻科 日・祝
8:30~12:00 / / / / / /
15:30~18:00 / / / / / / /

耳鼻科:第2、4木曜
※耳鼻科、認知症外来は日程が変更となる可能性があります。初診の方は受診前に電話でご確認下さい。

認知症外来 日・祝
8:30~12:00 / / / / / /
15:30~18:00 / / / / / / /

認知症外来:第2、4土曜
※耳鼻科、認知症外来は日程が変更となる可能性があります。初診の方は受診前に電話でご確認下さい。

皮膚科 日・祝
8:30~12:00 / / / / / /
15:30~18:00 / / / / / /

皮膚科:毎週金曜

担当医師

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